ブックタイトル2017かごしま市民のひろば10月号

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概要

2017かごしま市民のひろば10月号

2017年(平成29年)10月号かごしま市民のひろば特集2若い世代が減っているということ 平成22年と27年の国勢調査によると、この5年で本市の人口は60万5846人から59万9814人となり、調査開始以来、初めて減少しました。 一方で、年代ごとの人口は「65歳以上」は増加しましたが、生産年齢である「15歳から64歳まで」と「14歳まで」は減少しており、年々若者が減ってきているという実情があります。 若い世代が減少することは少子化の進行やまちのにぎわいの喪失、社会保障費などの負担増などにつながる地域全体の問題といえます。 これからも鹿児島市がずっと元気でいるために、若い世代に地元で活躍してもらうことが求められています。県外への就職希望が多い若者でも、地元企業をもっと知れば変わる? 昨年、県が行った高校生の就職に関する意識調査によると、高校生の半数が県外企業での就職を希望しているという結果が出ています。 本市では、毎年7月に、就職を希望する高校3年生を対象に「高校生ステップアップセミナー」を開催しています。今年度、地元企業の講話を聞いた高校生にアンケートを行ったところ、75%が「地元就職への興味をもった」と回答しました。 県内にも、さまざまな職種、企業があり、多くの企業がその魅力向上に向けて取り組んでいます。地元で働く良さや企業を知ることで、それぞれの希望に合う新たな選択肢が見つかるかもしれません。 都会での仕事・暮らしを経験した後に、地元に戻ってきた人もいます。「地元に戻ろう」と決めたきっかけや、都会と地元での生活の変化についてインタビューしました。都会に憧れ関東へ 鹿児島で育ちましたが、県外に出たくて長崎県の大学へ進学しました。卒業したら鹿児島に戻るつもりでいました。しかし、県外で暮らすうちに、就職は関東へ…と思うようになっていました。都会の暮らしを経験してみたかったし、音楽を趣味にしていた私は、関東に行けばいつでもライブに行けるとわくわくしていたんです。 都会の暮らしは便利でした。徒歩圏内で必要なものはたいがい手に入りました。でも、想像以上に大変だったのは片道1時間の満員電車。不規則で残業の多い職場に就職したことも相まって、なかなかプライベートの時間がとれず、いつのころからか地元・鹿児島を思い返すようになっていました。地元に帰る選択 関東で就職して2年余り、日々の無機質な生活に疑問を感じていた私は、両親や友人の勧めもあり、地元の病院で再就職するという地元に帰ったことで得られたもの鹿児島で働こう 鹿児島は、県外で働きたいという若者が多い土地だといわれてきました。 一方、地元で、やりがいを持ちながらいきいきと仕事をしている人たちもいます。 鹿児島で働く人たちの姿から、「地元で働く」ということを考えてみませんか。その他2%無回答2%はい75%いいえ21%未回答1%県内企業52%県外企業47%就職希望先は県内企業、県外企業のどちらですか(県の高校生の就職に関する意識調査より)地元企業の話を聞いて地元就職への興味を持ちましたか(平成29年度高校生ステップアップセミナーアンケートより)小杉 正まさ生き さん鹿児島市在住。長崎県の大学を卒業後、関東で医療関係の会社に勤める。2年間勤務した後鹿児島に戻る。決断をしました。 それまでと比べ、正直なところ収入は大幅に減りました。地方は物価や生活費が安いといわれますが、生活費の支援などの福利厚生が充実した企業で働いていた私にとって、経済的なマイナスがあったことは事実です。 しかし、それ以上に、日々の暮らしに充実感を感じられるようになったことは大きな収穫でした。新しい職場はスタッフこそ少ないですが、その分責任ある仕事を任せられることも多く、やりがいを感じることも増えました。 また、慣れ親しんだ景色や食べ物があり、友人、両親がすぐ近くにいることも自分を支えてくれていると思います。やっぱり鹿児島が好きなんだとあらためて感じましたね。家族と過ごす時間 鹿児島に帰ってきた私には、家族もできました。都会に憧れた自分が言うのも変ですが、鹿児島に帰ってくるとすぐに心を通じ合える人に出会うことができたんです。 今では娘が生まれ、桜島や平川動物公園で家族だんらんの時間を過ごしています。鹿児島に帰ってきて本当によかったと感じています。 鹿児島で働き、生活する喜びは、当たり前のことが当たり前にできることにあるのかもしれません。