ブックタイトル2017かごしま市民のひろば10月号

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概要

2017かごしま市民のひろば10月号

南北600㎞にわたり、水深0mの干潟から1千mの深海まで多様な顔を持つ鹿児島の海。内湾と外湾、砂地と岩地、黒潮や対馬暖流などさまざまな条件が組み合わさって、多様な環境が生み出され、魚の種類も豊富です。長年、鹿児島の海や魚を調査・研究してきた鹿児島大学水産学部教授の大富潤さん( 54 )は「鹿児島の海の希少性・多様性を象徴するのが『ナミクダヒゲエビ』の存在。世界でも鹿児島湾(錦江湾)だけで水揚げが可能な深海性のエビで、漁獲対象になるくらいまとまって生息するのはここだけです。これは桜島のおかげ。約3万年前の噴火で作られたカルデラが、半閉鎖的な内湾ながら水深237mという奇跡的な海を作りました。これは本当に珍しくてすごいこと。まさに私たちの財産ですね」と力を込めます。魚の魅力を強調します。「以前、雑魚として捨てられていた小エビに『ヒメアマエビ』と名づけて売り出したところ、関東でおいしさが認められ、1㎏ 1500円、アオリイカと同値程度で取引されるようになりました。安くておいしくても、知られていない「地魚」が多く眠っているんです。「地魚」はその時季にしか味わうことのできない「旬」のものも多くあります。もし料理店や市場で知らない魚を見掛けたら、ぜひ味わってみてほしいですね」「鹿児島」の魚の魅力鹿児島の海や川では、約300種類の魚などが水揚げされます。養殖で日本一のカンパチやブリのほか、アユやウナギといった川魚も豊富。その時季にしか味わえない、地元で獲れた魚(=地魚)は魚屋の減少であまり目にしなくなりましたが、今なお魚市場や物産館、移動販売などで買うことができます。これまで約900種の魚を食べてきた大富さんは、「鹿児島」の魚のすごいポテンシャル魚はカルシウムやミネラル、ビタミン類といった栄養素の宝庫。中でも注目されているのが人体に不可欠な「必須脂肪酸」のDHAとEPAです。体内で作ることができないため、常に食品から補給する必要があり、認知症予防や動脈硬化予防、脳の働きの促進など効果はさまざま。「豊富な栄養素は魚の良さの一つ。食べること以外でも魚は楽しめます。地魚を探しに県内を巡ったり、市場の体験ツアーや水族館に行ったり、親子で魚をさばいてみたり、旬の魚で季節を感じたり。そうすれば魚がもっと身近に感じられるかもしれませんよ」魅力的な鹿児島の魚。食べないなんてもったいない!まずは知ることから始めませんか。〝あったらしか!!? 鹿児島の魚の魅力県・市町村合同企画最近、魚を食べましたか?食べた魚はサーモンやタイセイヨウサバといった輸入魚で、飽き飽きしていませんか。それは実に〝あったらしか(もったいない)?鹿児島の魚は自慢の海に囲まれた「ご当地グルメ」。その魅力をお伝えします。「かごしまの旬のさかな」を知っていますか。市場のプロイ・チ・押しの旬の魚やカレンダー、レシピなど情報がもりだくさん!「さばき方教室」や「料理教室」、「親子さかな市場探検隊」の参加者の募集も行っています。ぜひ、のぞいてみて。■親子さかな市場探検隊 競りの見学や模擬競り、魚のさばき方を体験できます。対 象 小学生と保護者(2人1組)  期 日 11月4日(土)6時30分~10時15分場 所 魚類市場  定 員 15組  料 金 無料申し込み 往復はがきで10月25日(必着)までに〒892-0835城南町37- 2魚類市場?223-0310へ ※“いお・かごしま”魚食普及拡大推進協議会HPから申し込み可昭和38年兵庫県生まれ。平成3年3月東京大学大学院農学系研究科博士課程水産学専攻修了。著書に『九州発 食べる地魚図鑑』『魚食ファイル 旬を味わう』(南方新社)、『かごしま海の研究室だより』(南日本新聞社)などがある。現在食べた魚の種類は900種。1000種類制覇を目指している。鹿児島大学水産学部水産学科大富 潤 教授いお・かごしま検 索民のひろば知っ得情報12