ブックタイトル2017かごしま市民のひろば9月号

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2017かごしま市民のひろば9月号

3 特集かごしま市民のひろば2017年(平成29年)9月号甘い味付けと郷土料理はおもてなしの心から「憧れ」が甘い味付けに 鹿児島の味付けは他県より甘いといわれます。甘い味付けを好むのは、気温が高く体が甘みを欲するということもありますが、甘いものへの憧れもあったのではないかと思います。 多くの高齢者に話を聞くと、終戦後の食糧難の時代までは砂糖をふんだんに使えず、甘みといえばカボチャやサツマイモだったようです。 貴重品だった砂糖は、冠婚葬祭や年中行事、お客さんのおもてなしなど特別な料理に使われていました。そのため、郷土料理の中でもお祝いのときに食べられていた「がね(サツマイモの揚げ物)」や「さつますもじ(ちらしずし)」などは、昔から甘い味付けだったようです。鹿児島の「食」を食べる・体験する 本市は、県内外からさまざまな食材が集まるとともに、農業や漁業が営まれている生産地でもあります。 地域で生産された農林水産物をその地域で消費する「地産地消」が進むことで、地域農業などが活性化し、消費者も安全で新鮮な食材を買うことができるなどのメリットがあります。 豊かな食材を味わえるだけでなく、収穫体験など生産者との交流を通して、「食」を体験できるのも生産地である本市ならではの魅力です。鹿児島の「食」を自慢しよう 皆さんが、県外の人に知ってほしい特産品は何でしょうか。 本市では、市内で開催する食のイベントのほか、首都圏における桜島大根などの特産品のPRや飲食店での鹿児島の食材を使った期間限定メニューの提供など、県内外へ鹿児島の「食」の魅力や情報の発信を行っています。 皆さんも、「鹿児島には、おいしいものがたくさんある」と、県外の人に自慢してみませんか。 鹿児島の魅力を伝える活動をしていると、お薦めの料理を聞かれたり「本場で食べたさつまあげが、とてもおいしかった」など思い出の味を語られたりすることがあります。大好きな地元鹿児島が褒められると、自分のことのようにうれしくなります。 県外での活動を通して、鹿児島の「食」は本当に魅力的で素晴らしいと、あらためて感じます。住んでいる人はもちろん、県外や国外の人にもこの魅力を知ってもらいたいです。 鹿児島の味付けと郷土料理について、鹿児島女子短期大学の千葉講師に話を聞きました。かるかん(軽羹) 江戸時代から作られている「かるかん」は、当時貴重だった、砂糖やじねんじょ、米粉を使ったお祝いのお菓子。名前の由来は、蒸すと軽くなる羹あつもの (餅菓子)といわれています。ぢゃんぼもち(両棒餅) 餅に二本の竹串を刺した格好が、武士が刀を二本差す「両棒差し」に似ていたことから「両棒餅」と呼ばれるようになったといわれています。げたんは 「げたの歯」に形が似ていることが名前の由来。霧島市山ケ野金山で働く人のお茶請けで、お金と人が集まる土地だったことから、貴重な砂糖がふんだんに使われています。銀山のあった島根県には「げたのは」というよく似たお菓子があります。あらためて感じる 鹿児島の「食」の素晴らしさ鹿児島の郷土菓子の由来第11代かごしま親善大使永田 沙織さん鹿児島女子短期大学千葉 しのぶ講師 戦後、砂糖が手に入りやすくなってからも、この特別な料理への憧れもあり、甘い味付けが好まれるようになったのではないかと思います。郷土料理は「心意気」 郷土料理は、食材や調理方法が限られた中で、各家庭や地域の人たちが少しでもおいしく食べてほしいという気持ちを込めて作られています。その「心意気」も料理とともに受け継いでいきたいですね。INTERVIEW市民と   ともに敬老の日に寄せて 長寿社会を迎え、豊かな経験や知識を地域の中で生かしたいという声をよく聞くようになりました。 本市でも、ボランティア活動や地域コミュニティづくり、文化・スポーツなど幅広い分野で、人生のベテランたちがいきいきと活躍中です。はつらつとした皆さんにお会いする度に、そのエネルギーに触発され、こちらまで元気がわいてくる気がします。 観光客でいつもにぎわう西郷銅像前。笑顔で案内をされているのは、青いベストが目印の「かごしまボランティアガイド」の皆さんです。 平均年齢67歳、200名を超える皆さんも、その多くが、退職後、歴史の知識やふるさとへの思いを観光のおもてなしに発揮しようと、活動を始められたとのことです。来年の大河ドラマ「西せ郷ごどん」放送を前に、皆さんの意気込みも高まっているようです。 今月18日は敬老の日。人生の年輪を重ねてこられた皆様が、住み慣れた地域を盛り上げようとチャレンジされていることに、心から敬意を表して応援したいと思います。