ブックタイトル2016かごしま市民のひろば7月号

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概要

2016かごしま市民のひろば9月号

2016年(平成28年)9月号 かごしま市民のひろば 特集 2認知症介護の電話相談◆認知症介護経験者などが話を聞きます◆認知症の人やその家族が抱える、生活や介護に関する悩みなど、気軽にご相談ください◆認知症の人と家族の会 鹿児島県支部257-3887 月~金曜日10時~16時 (祝日、年末年始を除く)◇認知症に関する情報提供などは、長寿あんしん相談センター813-1040でも行っています認知症早期発見の目安□同じことを何度も言う・問う・する□財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う□慣れた道でも迷うことがある□自分の失敗を人のせいにする□趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった(認知症の人と家族の会「家族がつくった認知症早期発見の目安」より一部抜粋)(イメージ)認知症の人と家族の会世話人 川野 早苗さん県認知症疾患医療センター副センター長 黒野 明あ日す嗣つぐ 医師○ 認知症とは 認知症は、脳の神経細胞に問題が出てくる病気で、イメージとしては、脳の老化が異常に早く進んだことにより日常生活に支障がある状態のことです。認知症にもいくつか種類がありますが、最も多いのはアルツハイマー型認知症で、全体の約6割を占めています。○ 認知症の症状 主な症状にはまず、「覚えられない」というのがあります。進行すると、時間や日付の感覚がなくなったり、場所が分からなくなったりして、その結果、徘はいかい徊などを行うことがあります。 認知症は、単なる物忘れとは違います。物忘れは、出来事の一部を忘れても、ヒントがあれば思い出すことができ、物忘れしている自覚があります。一方、認知症では、出来事の全部を忘れてしまうため、ヒントがあっても思い出すことができず、忘れている自覚がありません。単なる物忘れ(すでに食べたのに)朝ご飯はまだ食べてないわよ今朝食べた朝ご飯は何だったかしら…○ 早期発見が大切 現在のところ、薬では認知症の進行を遅らせることはできても治すことはできません。そのため、大切なのは早期発見です。早く見つけて適切な対応方法を家族が学ぶことで、それまでと変わらない生活を続けられることもあります。 なんとなく今までと様子が違う、その人ら● ● しく● ● ● ないなと感じたら、早めにかかりつけ医などに相談してください。○ 「人」が一番の薬 認知症になっても、その人の全てが変わってしまうわけではありません。記憶が消えることがあっても感情は残っています。周りが過度に病人扱いしたり、態度を変えたりすることで、暮らしにくくしてしまうことが多くあります。 認知症の人と接するとき、怒ってはいけない、とよくいわれます。確かに、ストレスは認知症を進行させるので、怒らないに越したことはありませんが、ずっと一緒にいる家族にとってはなかなか難しいものです。そこで、怒らないようにするのではなく、怒った分かそれ以上、笑顔になってもらうようにしてみてください。そして、家族も笑顔でいることが、認知症の進行を遅らせることにつながります。 ほかの病気にもいえることですが、認知症には、「人」が一番の薬です。人と交流しなくなると、認知症は一気に進行します。その人らしさを大事にしながら、サポートすることが大切です。 自分が認知症になったら・・・と考えたことがありますか。近い将来、高齢者の5人に1人が認知症になると予想されています。誰もがなる可能性のある認知症について、考えてみませんか。認知症を 考 える? 認知症を理解する 高齢化の進展に伴い、認知症になる人も増加しています。誰もがその当事者や支援者になる可能性がある認知症について、県認知症疾患医療センターの黒野医師に話を聞きました。 一緒に暮らしていた実の母が認知症でした。最初は、物とられ妄想(大事な物をとられたと思い込むこと)から始まりました。通帳をとった、とらないなどささいなことでけんかの絶えない日々でした。あるとき、親戚が異変に気付き、ようやくかかりつけ医に相談。何かおかしいな、と思ってから1年くらいたってからでした。 専門の病院で認知症との診断を受けたとき、それまで単なるわがままだと思っていたのが、病気のせいだと分かって納得でした。それからは、どこに行くにも母を連れて行くようにしました。ときどき徘徊などもありましたが、そのたびに近所の人が行き先を教えてくれたり、ときには家まで送ってくれたり、地域の方々のおかげで大事に至ることはありませんでした。そして、私が少し対応を変えたことで、けんかをすることもなくなりました。認知症の人と介護する人は「合わせ鏡」といわれたりします。私が穏やかに接するようになると、驚くほど母も穏やかになりました。 数年前に母が亡くなってから、同じような状況の人の力になりたいと、認知症の人と家族の会での活動を始めました。最初は、大切な人が認知症になったという事実を受け入れられなかったり、周りが理解してくれなかったりして、孤独になりがちです。一人で悩まないで、相談してみませんか。少しの配慮で お互い穏やかに認知症かもInterview