ブックタイトル2018鹿児島県臨床外科30巻
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2018鹿児島県臨床外科30巻
?1? 原 著鹿児島県臨外会誌 30,1?3.2018群は有意に円背が50%と多く,痩せた高齢男性に多い傾向であった.又PEG+CF群は有意に小野寺PNIが良好で,解剖学的な優位性が示唆されたが,更に今後の検討が必要と思われた(Table).症例184才 女性.[主訴]摂食障害.[既往歴]気管支喘息,腰部脊柱管狭窄症,左大腿骨頸部骨折[現病歴]当院整形外科にてH29年6月顎関節脱臼整復術,同7月左大腿骨人工骨頭抜去術を施行し,8月17日リハビリのため介護系病院に転院となった.8月29日より食事摂取開始となったが誤嚥性肺炎を繰り返し摂取困難と判断され12月18日PEG目的で当院外科入院となった.目 的 横行結腸が障害となって経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)が困難な症例に遭遇することがある.その時大腸内視鏡を補助的に用いることにより容易に本来のPEGを全うすることができる(Fig.1).そのような症例がどのような特徴があるか調べてみるのも必要と思われる.方 法 当院で過去5年間に特殊なPEG-J(PercutaneousEndoscopic Gastro-jejunostomy),PEJ(PercutaneousEndoscopic Jejunostomy),PTEG(PercutaneousTrans-esophageal Gastro-tubing)等(7例)を除いた148例のPEGのうち大腸内視鏡を補助的に用いた12例のPEG(以下PEG+CF)を経験した.通常のPEG(136例)に対し,11項目(性,年令,基礎疾患分類,術前CTによる可否,非経口期間,上腹部手術既往,食道裂孔ヘルニア,円背,BMI,Alb,小野寺PNI)に付き比較しt検定,χ2検定,Fisher検定による検討を行った.尚,術前PEG不可とされた症例は,PEG可能とする目的で数日間左側臥頭挙上位を強制した.PEGは何れもイントロデュ―サー変法にて行った.結 果 PEG+CF群はPEG症例全体の8.1%に認められ,完遂率は92%(11/12例)であった.基礎疾患分類ではFisher検定にて有意差はなかった(Fig.2).PEG+CF大井病院 外科 矢 野 謙 二 小 代 正 隆鹿児島大学消化器乳腺甲状腺外科 平 野 拓 郎大腸内視鏡を用いた経皮内視鏡的胃瘻造設術症例の特徴Fig.1 PEG + CF図1a. 横行結腸が上腹部に介在し胃穿刺が不能b. 大腸内視鏡を用い横行結腸を尾側に下げスペースを形成スペース胃横行結腸表1. 基礎疾患の分類PEG+CF3367 %29 51 %155PEGFisher検定: NSA 脳血管障害 B 脳変性疾患 C 肺炎 D その他ABBCA表2. 各項目の比較Χ2検定性別(男%)術前CT で不可上腹部手術円背食道裂孔ヘルニアPEG+CF (%) 58 67 0 50 42PEG (%) 41 16 8 18 30P=0.085 p=0.0001 NS p=0.027 NSt 検定年令(才)非経口期間(M)BMIAlb(g/dl)O-PNIPEG+CF 88.3 2.0 16.4 2.91 39.2PEG 83.6 2.8 18.3 2.81 34.9p=0085 NS p=0.080 NS p=0.038a)b)Χ2検定の数値は何れも%表示Fig.2 基礎疾患の分類Table 各項目の比較