ブックタイトル2015鹿児島県臨床外科27巻
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2015鹿児島県臨床外科27巻
図2-42-Ⅴ肝・その他〔鹿臨外会誌27巻〕3.18図1aabb図1図2図3図3図4ab図4CTAP:右肝静脈は細いながらも描出された。腫瘍の中肝静脈への浸潤がはっきり確認された。本症例において、下右肝静脈は認めなかった(図2)。腹部造影MRI検査:S8から一部S4にかけて、T1強調で造影効果の弱い径38mm大の腫瘤を認めた。内部はいくつかの低信号域を示す結節を認め、T2強調で腫瘤の内部は淡い高信号を示した。PET-CT検査:S8-4領域に腫瘍性病変に一致して限局性の異常集積を認めた(SUV:7.2→7.1)(図3)。上部消化管内視鏡検査:胃穹隆部に静脈瘤を認めた(Lg-f, F2, Cw, RC0)。アシアロ肝シンチ:HH15=0.515(<0.6)、LHL15=0.939(>0.9)で正常値を示した。肝volumetryと3次元画像構築:肝左葉は萎縮していた。また、右肝静脈は細く、一方で中肝静脈は拡張し、その末梢はS6へ向かい、中肝静脈へのドレナージが疑われた(図4)。以上より術前診断を肝内胆管癌とし、術式として肝中央2区域切除を予定した。術前肝機能評価としては、肝障害度A、Child-Pugh A(5点)であった。手術で中央2区域切除を選択した場合、肝volumetryの評価による切除率は41.1%{兵庫医大予後得点:33.4(安全域)}となるが、中肝静脈処理によりS6がうっ血となった場合、切除率が60%{兵庫医大予後得点:51.5(境界域)}と増大し、術後肝不全の可能性が危惧された。そこで、中肝静脈がS6のdrainage veinとなっているか確認するため、門脈造影検査を追加した。門脈造影検査:右傍腹直筋切開で小開腹し、回結腸静脈の末梢から5Frカテーテルを挿入し門脈造影を施行した。P6への選択造影検査で、中肝静脈が描出され、S6は中肝静脈-42-