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概要

2015鹿児島県臨床外科27巻

〔鹿臨外会誌27巻〕3.18Ⅲ下部消化管-33-Fig7中結腸動脈左枝と左結腸動脈が腫瘍血管Fig8大腸内視鏡検査。鏡体通過不能。↑↑Fig9合併切除した胃壁。黒く変色した胃粘膜。小腸との癒着と小腸間膜への浸潤合閉鎖した。腹腔鏡下に左結腸動脈を処理し内側アプローチにて横行結腸脾曲部を受動、中結腸動脈左枝を幹部にて処理し受動を十分に行った。臍部創を10cm延長して体腔外にて自動縫合器にて切除再検を行った。小腸間膜が疑われ癒着していた小腸も合併切除した(Fig9)。最終病理:T pType270x60 mm circ 100%muc+por pT4(SI)sci胃壁固有筋層までの癌浸潤を認めた。考察大腸癌ガイドラインでは結腸癌およびRS癌に対するD2以下の腸切除を腹腔鏡手術の適応としているが腹腔鏡下手術の普及に伴い施設ごとの習熟度や術者の経験に応じた適応を決め進行癌大腸癌に対しても行われている。内視鏡外科学会のガイドラインでは進行癌に対する腹腔鏡下手術はcStageⅣを含め短期成績は良好で長期成績にも有意な差はないさている。他臓器浸潤を来す大腸癌は一般に腫瘍径が大きく困難なことが多い、開腹移行例は非開腹移行例に比べ術後合併症率が高く在院日数も長くなるためよりその適応には慎重を要する。今回の2症例はいずれも他臓器浸潤を認め、腫瘍径も大きかった。症例1は術前の画像診断では他臓器への浸潤は不明であったが腹腔鏡下に遠隔転移、腹膜播種の-33-