ブックタイトル2015鹿児島県臨床外科27巻
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2015鹿児島県臨床外科27巻
-20-Ⅱ上部消化管〔鹿臨外会誌27巻〕3.18AE1AE病理診断はendocrine cell carcinoma(type2,6×7×6cm ,pT4a(SE),INFb,med,ly3,v1 PN0,pPM0,pDM0,pn0,M0 stageIIIAとなった。術後経過は良好であったが術後3か月目CTにて肝S6に肝転移出現。現在精査、加療予定である(図10)。術前CTEMCD5SynaptophysinKi67図9免疫染色術後3カ月目CT図10-20-【症例2考察】結腸NETの手術適応と術式は腫瘍径が1cmを越え、固有筋層浸潤や局所リンパ節転移を疑う症例や内視鏡的切除標本における固有筋層浸潤、切除断端陽性、脈管浸潤(ly)が存在するものに適応される。術式はリンパ節郭清を伴う腸管切除術と結腸癌に準じてなされる。肝転移は、腫瘍減量効果が期待できる場合、肝切除術が推奨される。画像評価で腫瘍遺残のない手術が可能であれば、肺転移、腹膜播種を切除することは許容されるとある。結腸NETは、盲腸に好発し、本邦の消化器NETの2.1%を占める。結腸NETは症状発現まで増大し、比較的大きな腫瘍径として発見されることが多い。したがって、腫瘍は局所過進展を呈することが多く、リンパ節転移(30-40%)や肝転移(20-40%)を高頻度に伴い予後不良の腫瘍である。手術以外の加療は消化管NET(G1/G2)に対してはオクトレオチドが推奨される。2009年に中腸由来の転移性高分化型NET患者を対象に前向き無作為化プラセボ対照二重盲検試験によるオクトレオチドLARの抗腫瘍効果が検討された(PROMID試験)。TTP(Time to TumorProgression)の中央値はオクトレオチドLAR群で14.3ヵ月、プラセボ群で6.0ヵ月とオクトレオチドLAR群にて有意な延長を認めた。全身化学療法は、奏効率が低く有意な無増悪生存期間や全生存期間に対する効果を示した