ブックタイトル2015鹿児島県臨床外科27巻
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2015鹿児島県臨床外科27巻
ab図2-14-Ⅱ上部消化管〔鹿臨外会誌27巻〕3.18胸腹部CT検査で、胃噴門部周囲の胃粘膜下腫瘤を指摘された。上部消化管内視鏡検査で、胃体上部前壁に径40mm大の胃粘膜下腫瘤を認め、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EndoscopicUltrasound-Fine Needle Aspiration;以下、EUS-FNA)でGISTと診断された。術前、心房細動による慢性心不全を指摘され、循環器内科での治療後に、手術目的に当科紹介となった。入院時現症:身長170 cm、体重79kg、BMI27.3、血圧121 / 67 mmHg、脈拍74 /分・不整、体温36.0℃。腹部は平坦軟で開腹歴なし。血液検査所見:ワーファリン内服でPT 39%、PT-INR 1.78と延長していた。BNP 176.8pg/ml(基準値40~140 pg/ml)と軽度上昇していた。その他、生化学検査で異常所見なし。腹部造影CT:胃体上部前壁に最大径40mm大で、内部低吸収域を伴うダンベル型の胃粘膜図1下腫瘤を認めた(図1)。図1上部消化管内視鏡検査:胃体上部前壁に粘膜下腫瘤を認め、EUS-FNAでGISTと診断された(図2)。以上より胃GISTと診断し、内視鏡医の協力のもとLECSを施行した。図2手術所見:臍部にopen法でカメラポートを挿入し腹腔内を観察した。胃体上部前壁に腹腔内へ突出する腫瘤性病変を認めた。播種や転移などの異常所見は認めなかった。右側腹部(10mm)、左右上腹部と左側腹部(5mm)にポートを追加し5ポートとした。トライツ靭帯からすぐの空腸をクランプ鉗子でクランプ後に、内視鏡下に胃内腔を観察した。胃内腔側より腫瘤辺縁部にマーキングを行い、粘膜下層にグリセオールを局注した。ITナイフで漿膜下切開を加え、切開予定線の肛門側からデユアルナイフで腹腔内へ穿孔させた。その後、穿孔部から腹腔内より超音波凝固切開装置を用い、胃内腔側のマーキングに沿って切開した。切除した腫瘤は、エンドキャッチで回収し、臍部から腹腔外へ摘出した。術後狭窄や変形を回避するために、切除部位を3-0V-Loc 180を用いて連続縫合閉鎖した。その後、4-0PDSで漿膜筋層縫合を追加した。腹腔鏡下に止血を確認するとともに、内視鏡下にも、縫合部からの出血やリークが無いことを確認して手術を終了した(図3)。摘出固定標本および病理学的所見:50x40x20mm大の表面整・弾性軟で、内部に白色充-14-